チュニジア料理は、地中海地方全般に見られるようにベースはオリーブオイルとトマトで、それに唐辛子、ニンニク、コリアンダー(パクチー)、クミンを中心としたスパイスで味付けされるのが主な特徴でした。見た目は濃厚な赤色をしていても意外とあっさり味で、日本人の口にも合う料理が多かったように思います。
まずこちらは、マグレブの代表的料理クスクス(Couscous)。羊肉が入ったものです。クスクスとは、小麦の粗挽粉に水を含ませて、小さな粒になるように丸めてそぼろ状に調整したもので、パスタの最も小さな形と言われています。トマトソースと具とで煮込んであり、ダシが良く出ていて美味でした。
次に、左がほぼ全てのレストランでまず最初に無料で出されるハリッサ(Harissa)を中心とした前菜の盛り合わせ。赤色のソース状のものがハリッサで、唐辛子を蒸してペースト状に溶かし、塩とニンニクを加えています。これをオリーブオイルでひたひたにして、パンにつけて食べるのですが、猛烈に辛い。でも意外とこの辛さが病みつきになったりします。かわって右はサラダ・チュニジアン(Salada Tunisianne)です。ざくざくに刻んだ野菜をオリーブオイルと塩で和え、上にシーチキン。あっさり。でもなぜこれが「チュニジアン」なのでしょうか。
こちらは揚げ物の前菜。左のブリック(Brik)は、春巻き用のものを少し薄くしたような皮で、半熟卵、シーチキン、ジャガイモを半円状に包み揚げした一品です。レモンを絞り、パリッと揚げられた皮をナイフで割ると、中から半熟卵がとろーっと出てきて、具と絡んで実に美味しかったです。今回のチュニジアグルメの中で1番のお気に入りとなりました。右はドワ・ドゥ・ファトマ(Doight de Fatma)。ブリックの具から半熟卵を抜いてロール状に巻いたもので、まさに春巻きに近いイメージでした。
こちらはメイン料理、オジャ(Ojja)です。炒めたピーマン等をトマトソースで煮込んだ後、卵を落としてあります。具材としてはメルゲズ(Mergez)というチュニジア版ウィンナーを選んだのですが、これがなかなかスパイシー。半熟卵の黄身を絡めて食べるとマイルドさも加わり、絶妙のバランスに仕上がりました。
僕のチュニジア料理の総合評価は「まあまあ」です。美味しいことは美味しいけれど、涙を流すほど感動的かと言われるとそうでもなく、毎日食べたいかと言われると週1回、いや、月1回程度食べられればいいやといった感想になります。やはりチュニジア旅行2週間前にがっつり食べたナポリピッツァがあまりにも衝撃的に旨かったからでしょうか。それとも自分の料理の腕が上がっているからでしょうか、なんて。